日本IBMを下請けが提訴へ 七十七銀の案件で追加費用を得られず経営破綻

kudo-shunsaku2008-09-06


普段読まない雑誌を眺めていてふと目に留まったのが、この記事でした。

あまりの悲惨さに他人事とは思えず、身震いしてしまいました。しかしながら、大小を問わず似たようなことは、いつ何処でも起きているのでしょう、たぶん。自分がこのようなことに係わらないようにするために、メモ書きします。

果たして、問題はどこにあったのでしょうか? 一体誰が悪いのでしょうか?



見かけた記事というのはコレです。

日経コンピュータ 2008/08/15号 ニュース SPECIAL REPORT
日本IBMを下請けが提訴へ 七十七銀の案件で追加費用を得られず経営破綻


日本IBMからシステム開発を受注した地方ベンダーが、IBMに追加費用の支払いを求める訴訟を準備していることがわかった。開発規模が見積もりの7.5 倍に膨らんで4億円弱の予算超過となったこの下請けベンダーは、7月に民事再生法の決定通知を受けている。 「日本IBMとは20年以上の付き合いだったのに。どうしてこんなことになったのか」。』

話の大筋は、東北地方最大の地方銀行である七十七銀行の案件を日本IBMが引き受けて、それをJCE(ジェーシーイー)に開発案件を請負契約をさせた結果、見積もりを大幅に超えた追加費用をIBMが支払わず、JCEは大赤字を出して民事再生法の適用が為されるというものです。

短い話なのですが、要点が幾つもあります。

01. 七十七銀は仙台では有名な問題案件であった。
02. 日本IBMは七十七銀と主張が噛み合わず、プロジェクトが途中で中断した経緯があった。
03. JCEには、リスクは無論のこと、経緯など一切が知らされて居なかった。
04. JCEが得意なのは、流通分野の案件である。
05. 日本IBMの担当者は、銀行業務は知らなくても構わないと言っていた。
06. JCEは、リスクを感じたので「派遣契約」を希望したが、「請負契約」とされた。
07. JCE日本IBMは得意先である。よってJCEは受注を決断。
08. JCEは通常外部設計以降の作業を担当するが、今回は要件定義からであった。
09. 七十七銀は要件定義は中断前に完了しているので、日本IBMの責任で纏めるべきと主張しJCEは対面できなかった。
10. 日本IBMに要件を把握した人は居なかった。
11. 日本IBMは、JCEに見積もりを抑えるように何度も言った。
12. 内部設計の見積もり後、不明、不具合部分が露出し直ぐに開発規模が膨らみ始めた。
13. JCEは、日本IBMに追加支払いがなければ続行不可能と打診し、日本IBMは「追加発注を約束した」との事。
14. 技術者が休日返上で昼夜問わず働き、システム稼動時期を死守した。
15. 日本IBMは、「請負契約であるため追加費用はJCEの責任だ」と主張
16. JCE民事再生法の決定通知される。

記事の詳細は、『日経コンピュータ 2008/08/15号』を御読み下さいませ。

いくつも感想があるかとも想いますが、納期を遵守したエンジニアは辛かったことでしょうし、それが褒められるどころか、全くもって報われない、その上に自分の会社までもが無くなってしまうという憂き目に遭うと言うのは如何なものなのでしょうか?あまりも非道すぎます。

これは、『諸行無常の響きあり』では済まされないものですね。

この話に於いては、やはり日本IBMの行動は非難されるべきものなのは間違いないですが、直接の折衝を断った七十七銀行も問題は確実にあります。それに被害者とも言えるJCEに於いてすら、勇気を持って案件を断るということも出来たのですから、登場人物である三社それぞれ問題がないとは言い切れません。


やはり、最初のボタンを掛け違えると全てずれてしまうということを物語っています。

『君子危うきに近寄らず』

こんなことにだけは絶対係わりたくないものです。