工藤探偵事務所

Resarch and Investigation

あおむし

昨日の夜、
彼女の横に飾ってある薔薇の花瓶の周りに
黒い粒々が落ちているのに気が付いた。
布団に倒れ落ちる直前で眠かったので、そのまま寝た。

翌朝、
お線香をあげようとして、
黒い粒々をみて想い出した。
掃除しようと花瓶を退かしてみたら、
あおむし」が落ちてきた。

柴田ケイコ

咄嗟に処理してしまった。
あおむし」を殺してしまった。

探偵はやっぱり、「いきもの」に優しくないのだと思い知らされました。
「いきもの」にとてつもなく優しかった彼女に、怒られると思いました。

あおむし」は、少し毛深かったのでアゲハ蝶だったのかもしれません。
お骨の横の薔薇に居た「あおむし」は、彼女だったかもしれません。
寂しい淋しいとばかり、泣いてばかりいるから、会いに来てくれたのかもしれません。

柴田ケイコ

なんだかモヤモヤして、落ち込んでいます。

「いのち」は消えてしまいました。
後悔しても遅いです。
時計の針は逆に回りません。

そして、誰もいなくなってしまいました。