昨日の夜、
彼女の横に飾ってある薔薇の花瓶の周りに
黒い粒々が落ちているのに気が付いた。
布団に倒れ落ちる直前で眠かったので、そのまま寝た。
翌朝、
お線香をあげようとして、
黒い粒々をみて想い出した。
掃除しようと花瓶を退かしてみたら、
「あおむし」が落ちてきた。
咄嗟に処理してしまった。
「あおむし」を殺してしまった。
探偵はやっぱり、「いきもの」に優しくないのだと思い知らされました。
「いきもの」にとてつもなく優しかった彼女に、怒られると思いました。
「あおむし」は、少し毛深かったのでアゲハ蝶だったのかもしれません。
お骨の横の薔薇に居た「あおむし」は、彼女だったかもしれません。
寂しい淋しいとばかり、泣いてばかりいるから、会いに来てくれたのかもしれません。
なんだかモヤモヤして、落ち込んでいます。
「いのち」は消えてしまいました。
後悔しても遅いです。
時計の針は逆に回りません。
そして、誰もいなくなってしまいました。