テレビをつけると賀来千香子が出ていた。
彼女が司会を務める「あしたも晴れ!人生レシピ」の再放送だった。
ゲストは、平野レミ。
夫の和田誠が亡くなって、平野レミがテレビに出なくなったのはぼんやりとは知っていた。
テレビで天然に明るい人が、茫然自失しているのは想像もつかなかったけど。
その時は、自分が彼女と同じ気持ちになるなんて思いもよらなかったけど。
平野レミも「自殺しちゃおうかなって考えた」と言っていたが、
それは探偵も同じ気持ちだ。
光が亡くなるということは、何も見えない暗闇の中で手探りしているのだ。
そこには、不安と絶望しかない。
『平野は、
「私、モテない方じゃなかったけど“この人がいい”って思ったのね。
和田さんが死んじゃうちょっと前にさ、
お父さん、私のどこが良かったのよ。失敗しちゃった?って聞いたら笑っていたね。
だからわからない。
“失敗じゃないよ”って言っていたけどね」
と笑った』
賀来千香子はもらい泣きをしていた。
探偵は彼女と過ごした最後の数日間ことを想い出していました。
薬の所為で意識が朦朧としていて、
もう声も出なくなっていたけど、
「俺のこと好きか?」と聴いたら、
虚ろだった視線を俺に向けて、
しっかりと俺を視てくれて、
優しく頭を撫でてくれました。
最愛の夫の死から4カ月…平野レミ「私は和田さんの作品だったかもしれない。これから先は…」 https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/02/26/kiji/20200226s00041000285000c.html
平野レミ 和田誠さんの喪失癒やした義娘・上野樹里の一言 https://jisin.jp/entertainment/interview/2027404/2/
平野レミさんと、和田誠さんのことを話そう。 - ほぼ日刊イトイ新聞 https://www.1101.com/talk_about_mrwada/2020-09-01.html