工藤探偵事務所

Resarch and Investigation

LGPLの改変と頒布

kudo-shunsaku2007-12-18


ここ最近頓に調査依頼が多かったのです。なので調査報告をなどをしたためておりましたが、結構一般的な話題だったので少しここでも御裾分けなどしてみたいと想います。

探偵も普段は真面目に調査活動をしていることを、皆さんに対して見せかけるためなのが主たる目的であります。無論というか当然の様に姑息であります、ね。



先日、「ソフトウェア・ライセンス」についての質問がありました。*1



質問内容は、

(1) LGPLライセンスのライブラリを改造して販売することって可能ですか?
(2) 可能な場合の制限ってありますか?(たとえばソースを公開しなくてはいけないとか)

上記の如く、質問が明確なのでそれのみに絞ることとしました。調査対象は、「LGPLの改変と頒布」 に関する制限、禁止事項など。



以下、調査内容です。

0. This Document

簡易ではありますがご質問に該当する事項を調べてみました。ご参考までに宜しければどうぞ。


1. LGPL

GNU LESSER GENERAL PUBLIC LICENSE

GPLというコピーレフトを貫いたライセンスでは、少し窮屈なのでもう少し楽にしましょうという主旨のライセンスがLGPL(もう少し自由なGPL)みたいです。

GNU LESSER GENERAL PUBLIC LICENSE


GNU 劣等一般公衆利用許諾契約書 (非公式な日本語訳)


Q:GNU GPLとGNU LGPLの違いは何ですか?


GPL、LGPL、GFDL に対する違反行為


2. LGPLの特徴

(1) 社内や個人的に利用するにあたってのソースコード改変、再コンパイルには制限がない。
(2) LGPLで配布されたプログラムを再配布する際にはソースコードを公開する必要がある
以下に凡例を示す。

2-1. 凡例: LGPLライセンスで配布されたライブラリ "A" について、

(1) ライブラリAにリンクしたプログラムBを配布する場合、Bのライセンスにリバースエンジニアリングを禁止する条項を含めてはならない。(LGPLv2-6、LGPLv3-4)
(2) ライブラリAに静的リンクしたプログラムBを配布する場合、Bのソースコードまたはオブジェクトコードの配布を拒否してはならない。(LGPLv2-6a、LGPLv3-4d0)
(3) ライブラリAを改変して作成されたライブラリA'を配布する場合、A'のライセンスはLGPLまたはGPLである必要がある。

GNU Lesser General Public License on Wikipedia



3. LGPLライセンスのモジュール再配布について

結論を先に言えば、LPGLライブラリを含んだパッケージの「改変」「再配布」は出来る様です。

LGPLライブラリを利用したパッケージが、LGPLライセンスである必要もありません(GPLの場合はコレが義務付けされます)。


但し、ソースコードの開示を求要求された場合には、「ソースコードを配布しなければいけない」という義務が生じます。

またLGPLライブラリを改変した場合には、"必ず" ソースコード開示が為されなければいけない様子です。

(通常はパッケージ配布の際にソースコードも添付して配布する方法が取られる様子です。手間を省くため。)


また、商用目的で有償で販売することも別段、禁止されていない様子です。

LGPLライセンスのモジュール再配布について


4. 補足

OSI承認ライセンス 日本語参考訳

以下はOpen Source Initiativeが承認したオープンソースライセンスの日本語参考訳です。これらはOpen Source Initiativeや各ライセンスの起草者によって発表されたものではなく、各ライセンスを適用した ソフトウェアの頒布条件を法的に有効な形で述べたものではありません。頒布条件としては英語版テキストで指定されているもののみが有効です。 しかしながら、Open Source Group Japanは、これらの参考訳が オープンソースライセンスをより良く理解する助けとなることを 望んでいます。


修正BSDライセンス(日本語訳)


GNU 一般公衆利用許諾契約書

次の調査報告に続く。。。。かもしれない。

*1:-調査依頼は「街の仲間」であり、親しい後輩でもあるオクッチャンからの唐突な調査依頼でした。-