本文は現行でのスマートフォン選定のためのメモランダムです。
-1. 本書の主旨
『どのスマートフォンにしたら良いですか?』
という質問が案外多いので「スマフォ」もしくは「スマホ」選びに必要と想われる情報を纏めてみました。
同じようなお悩みをお持ちの方はご参考までにご覧下さいませ。
また、選ぶ方々によって「おサイフケータイが必要」或は「SDカードを使いたい」などというように、それぞれに重要なポイントは違うと想いますので、ご当人の視点にて情報抽出を試みて下さい。
また付帯記載した機器価格に関しては、携帯電話キャリアの店舗で購入することが現在時点で未だ主体になっていると思いますので、それぞれに二年縛りなど契約時の附帯事項や割引などありますので、あくまでご参考程度にどうぞ。
0. 覚書
iPhoneの登場から一気に加熱してブーム化したスマートフォン。
過去を紐解けば、電子辞書から発展したSHARPのザウルス登場を切欠に、PDA、ハンドヘルドデバイスというジャンルは、二十年程度の年月を掛けて脈々と進化を遂げており、高機能な小型デバイスとしても既に存在していました。
ですが、昨今ではその人気は下火を通り越して不毛地帯と化しており、一時はIBMやSONYから互換機も登場するほどの栄華を誇ったPDAの雄であるPalmでさえも、買収と分裂を繰り返す紆余曲折の末にバラバラに空中分解してしまう凋落ぶりだったのです。(近年はHPが買収によって取得しています)
またその一方で北欧製の携帯電話では、ハンドヘルドデバイスから進化した電話と一体型のスマートフォンも以前から北米などで登場済みでもありましたが、日本での発売は、ガラケー*1全盛のため*2に上陸すらしませんでした。
またユーザビリティの技術としてのタッチパネルですが、これも操作可能な液晶パネル・デバイスも十数年前から存在し、これに対応したPC(パソコン)やOS(Windowsなど)も数年前から既出であったのですが、オフィスワークには関係ないという嗜好からか無視され続け、何故か大きな普及にまでは至りませんでした。
iPhoneショック(仮称)では、このタッチパネルを用いた操作性とインターネットにアクセス可能なアプリケーションを擁したスマートフォンとして再武装してその華麗で洗練されたパッケージで登場することで一気に注目を集めました。その結果、大きく世間で認知され普及したことで、周辺機器、付属品、果ては競合メーカーまでをも含む周りの全てがフォローワーと化しています。*3
更には、iPadの登場が更にそのブームを押し広げスマートフォンより大型の可搬型デバイスへと更なる影響を拡大し増幅し波及しています。この動きは電子ブックリーダーやネットブックなどという新ジャンルを巻き込みこれらを取り巻くデバイスやサービスさえも一変しています。
一番の大きな影響は、移動中のネットアクセスの敷居を大きく引き下げたことにあるでしょう。これはインターネットへ簡易なアクセスを可能にすることでクラウドサービスへの玄関ともなりました。スマートフォンが流行することで携帯電話のデバイス自身のみならず、それを利用する周辺情況も大きく様変わりを見せ始めているのは、ご承知の通りでしょう。
これらを鑑みて、携帯電話選定を念頭に、現在時点での選定に有用な附帯情報を選別して記することとします。
1. デバイス
まず、デバイス(携帯電話、スマートフォン)としての主要な選択肢を列記します。
このジャンルは群雄割拠状態であり、この他にも多数登場しております。但し、携帯電話の代替の選択肢としてのスマートフォンデバイスを考慮しており、携帯電話機能を有しているもののiPadなどのタブレット型のコンピュータなどは除外してあります。
- Current Smartphones
尚、デバイスを選択した際に同時にOSをも選択したことになります。OSの選択肢は以下です。
- Operating Systems
- iOS (Apple)
- Android (Google)
- Windows Phone 7 (Microsoft)
- Others - BlackBerry, webOS (Palm OS), Symbian OS (PSION), etc ...
OSの選択が為されると、そのOSを提供しているベンダに従属することになり、また必然的に利用できるそのOSにて利用可能なアプリケーション、そしてそのアプリを入手するためのマーケットプレイス(市場)が限定されるので、これは大きな注意の一つとなります。
コンピュータの歴史をご存知の方であれば、
それぞれに相当すると御理解いただければ、大枠では間違いないかと思われます。
またもう一点、現時点ではガラケー同様に、デバイスを選択した際に、携帯キャリアも選択することになります。これは、従来から使用されているキャリアもあろうことかと思いますので、重要な点になるでしょう。これが選定時の大きな制限になるのかもしれません。
但し、ドコモを筆頭に今年夏を目処にしてSIMフリー化されることが、ニュースになっています。今後、他のキャリアも追従せざる負えないでしょうから、夏以降まで待てる場合には、この動向に注目することも重要ポイントの一つでありましょう。買ったデバイスを違うキャリアで利用可能になることがやっと実現出来るのは、利用者にとっては大変、有意義な選択肢であろうからです。
- Each Devices
デバイスの主要情報は下記に付記します。
http://www.htc.com/www/product/desire/overview.html
- 特記:高スペック、アルミ製薄型ボディー。
- 特記その弐:後継機種として HTC Desire HD S が予定。
SAMSUNG Galaxy S2 (GT-I9100)
SONY Xperia arc SO-01C
RIM BlackBerry Bold 9700
- OS: BlackBerry OS(Ver 5.0)
- 発売日:2010年7月30日
- 販売価格:5万0232円
- キャリア:docomo
Android Devices
Android 端末に関しては、この他にも Dell, Motorola, LG, SANYO,
NEC, Kyocera, Acer, Asus,などなど、多数の有名ベンダが
Android搭載機器を発売しています。
Android 2.1, 2.2, 2.3
AndroidはOSであり、この基本ソフトウェアによって利用できる機能やサポートするデバイスなどが大きく異なってきます。現行でのスマートフォンが対応しているバージョンは、それぞれAndroid 2.1, 2.2, 2.3となります。
バージョンが上がることでの様々な更新が行われるために、ユーザとしては多くの場合、最新のバージョンを利用することが望ましい訳ですが、一番影響がありそうな機能であるのは、「Adobe Flash対応」であり、これを果たしたのは、Android 2.2 からです。
もし、動画サイト(YouTubeやニコ動)を視聴したいのであれば、Android 2.2 以降の対応機種を選択するのが得策でしょう。
2. 携帯機器ベンダ
Appleの黒船によって開国された影響で、日本固有の現象であったキャリアが殿様であるビジネスモデルが破綻をきたし、移動機器ベンダは、本来の性質であるその機能により分類されることになりました。
現状構図としては、
Apple v.s. Google (OHA)
であり、
1 v.s. N
というカージナリティとなっています。
必要に応じて後日追記します。
3. キャリア
日本での携帯キャリア
また厳密にはキャリアではないが、日本通信株式会社のようにドコモの回線を利用してサービスする会社も登場しています。またこの会社は、SIMフリー製品に対応した「音声サービス付き定額データ通信SIM」という製品を提供しています。[2010年10月25日]
http://www.j-com.co.jp/news/release/1058.html
また黒船による開国された影響に呼応するために、ドコモが2011年4月より端末のSIMロックの解除を開始しました。
報道発表資料 : SIMロック解除の開始について | お知らせ | NTTドコモ
これにより、Nexus SやiPhone4をドコモで利用することも既に可能です。
ユーザが日本でのSIMフリーによるメリットを享受するためには、携帯電話キャリアがこの流れに追従して、相互に競争することが必要であり、時間的にもう少し待つ必要があるかもしれません。
但し、現在時点でドコモでは利用可能な状態になっており、実際に利用するには、ドコモショップにてSIMを発行して貰います。その際に、利用する該当デバイスの「技適マーク」*4を見せて購入することが必要になります。「技適マーク」がないと購入を断わられるそうです。
また注意事項として『SIM発行時には、まず身分証明書やクレジットカード・銀行口座の提示を求められ、その上で料金プランの説明を受ける。現時点ではドコモ側にリストがなく、すべての機種が「テザリングあり」の扱いになるため、パケット代の上限は1万395円。」だそうです。
現行でSIMフリーを利用した場合には、通常より可也高めのコストとなりそうです。
必要に応じて後日追記します。
4. 後記
結論は、「好きなものを選択して下さいな」ということだけです。
勿論、基本的な電話機能とメール機能だけを重視するのであれば、ガラケーで十分でありましょう。加えて、モバゲー*5に代表されるようなガラケーの独自文化を尊重するのであれば、スマートフォンの選択をする必要もないのかとも思えます。
但し、これだけ普及したスマートフォンは既に様々な面で便利な機能やアプリを有しており、一度、利用した方々はその便利さから過去には後戻り出来ないように想います。
加えて、小職の場合に於いてですが、現行でアーリーマジョリティの領域に達しようかというこのタイミングを逃すと、進化の早いデバイスやサービスについていけなくなってしまうという不安点が、購入意欲に拍車を掛けようというものでもあります。
普通に皆が使っている時に、自分だけが使い方知らないというのは、小心者の探偵にとっては、怖いことですから。
おしまい。
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*1:-「ガラケー」:「ガラパゴス・ケータイ」の略。世界の情勢を無視して日本独自の進化を遂げた日本製の携帯電話のこと。-
*2:-もしくは日本キャリアの排除により。-
*3:-プリンタの操作パネルまでが無用にタッチパネルになっているほどに利用されています。-
*4:-「技適マーク」:技適マークとは、技術基準適合証明のマーク。技術基準適合証明は、携帯電話やコードレス電話、アマチュア無線など、特定小規模の無線設備が、電波法や省令などによって定められている技術基準をクリアしていることの証明です。-
*5:-「モバゲー」:mixi, gree に続くSNSサイト。後発ながらケータイ対応のミニゲームが人気を博すことで勢力を拡大。SNSサイトとして先攻していたグリーなどもユーザ獲得にためこの動きに追従している。-