工藤探偵事務所

Resarch and Investigation

『探偵通信 第91号 2007年01月15日発行 アラスカとグリズリーと催涙スプレー』

kudo-shunsaku2007-01-17


あけおめ。ことよろ。ども探偵の工藤です。遅れ馳せながら新年のご挨拶で御座います。
では早速今年最初の『探偵通信』をお送りさせて頂きます。

昨年の年末、親友のHと逢おうと連絡を取っていました。その際、新婚の先輩であるゴータローサン(強そうな名前でしょ?)の話題になったので新婚宅に突然遊びに行くことにしました。ゴータローサンが近所に引越ししてきたのです。そこで「突撃!隣の晩ごはん」です。「ルックルックこんにちは」デス。ヨネスケな訳です。


思いつきで行動したものの何とか合流出来て無事に新居に到着。ゴータローサン(スーパー・ロボットのパイロットみたいな名前でしょ?)は、昨今、山登りに夢中なのです。夢はマッキンリーな訳です。当然、晩餐でもその話題で持ちきりです。

昨年には、有名な登山家の方々とアラスカから北極圏の氷山に登山しに行った話を聴きました。(その登山には誰かの追悼の意味もあったそうです。)その登山は過酷な夢のような現実のお話でありました。セスナでしか行けない場所にまずは連れて行かれて、そこから登山するのだそうです(無論帰りもセスナです)。

行きの道中、セスナのパイロットが『この前に行ったアメリカ人夫婦が食べられたので注意してね。』との事。セスナから下を見下ろすと、白熊くんやグリズリーくん達が闊歩しています。

なので現地で撮った写真を見せてもらうとショット・ガンを持っていったみたいです。でも打つ練習してないのだそうですけど。(意味ないじゃん。)

何とか登山は無事完了しセスナが到着する平原(氷原)まで戻ってきました。でもココからが問題だった様子。

風が吹かないのだそうです。
凪です。
桶屋は風が吹かないと儲からない。
セスナは風が吹かないと飛べない。
飛べてもあまり重いものは乗せられないのだそうです。

チームは四人居たのだそうですが、乗せられるのは一人だけ。
そこで年長者から一人だけ帰路へ。
残り三人。

二日経ってもまだ凪状態。
またも一人だけ帰路。
残り二人。

また二、三日経ってもまだ凪状態。
一人だけ帰路。ここまでで小計で5日間。

残りは一番年下のゴータローサン只一人。。。急に恐怖が襲ってきたそうです。

零下20度以下の氷原のテントの中で恐怖に凍える。熊撃退用催涙スプレーを両手に握り締めて一睡も出来ズ。まんじりともせず夜を明かす、たった独りの二日間。

グリズリーくんは、身の丈3メートル(体重は300kg以上)あるそうです。しかもグリズリーくんは時速60kmは走るそうです。そんな物体が近づいて来たら思わずスプレー噴射するでしょうね。スプレーは、3メートルしか届かないけど。ちょうどグリズリーくん到着したら握り締めたスプレーはスッカリ空き缶になっている事でしょう。ゴータローサンもそのように仰っておりました。

時間にしても合計で一週間の風待ち。想像に違わないけど経験した事の無い恐怖だった事でしょう。独りの時間は生きた気がしなかったでしょうね。

何とか無事に帰って来れた様子です。目の前でゴータローサンが嬉々としてお話してますから。

話し込んで遅くまでお邪魔したので帰りはすっかり深夜に。帰宅する際は極寒の夜の静寂を歩いて帰りました、まるでアラスカの夜の様。

それから数日後。。。

TVを付けるとアラスカとかグリズリーの話をしていました。何だか何処かで聴いた事がある様なお話。写真家の「星野道夫」という方のお話でした。

偶然観たのはこのTV番組です。「アラスカ はるかなる大地との対話」
星野道夫公式サイト
http://www.michio-hoshino.com/info.html

どうやらゴータローサンのグリズリー体験記は、写真家の星野道夫さん追悼の様子。星野道夫サンも若くして亡くなられた様子です。ヒグマの事故で。享年43歳。ご冥福をお祈り致します。

因みに、ゴータローサンはとても穏やかで優しいお顔立ちで優しい話し声なのでした。でもまた今年、あのアラスカの氷河に行こうとしています。新婚奥さんにはまだ内緒なのだそうです。生まれたばかりのお子さんも居るのに。懲りない人ですね。でも死ななけりゃ、何しても良いですよ。

皆様も健康だけは気をつけて。死ななけりゃ、それで良いのです。そして皆に逢えるのを楽しみにしてます。

今年も探偵をご贔屓のほど宜しくお願い致します。

那仏再見。