工藤探偵事務所

Resarch and Investigation

NGN, WiMAX に起因する今後の展開とARへの期待を込めた希望的観測

kudo-shunsaku2009-03-26





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a manuscript for interview with vampire

@author Kazuhiro Fujie
@date Mar 16, 2009


From NGN beginning, to AR end.

とあるインタビューのために書いた草稿です。ウェブに記載するための記事を作成するのだそうですが、インタビューでは、NGNが議題だそうなのですが*1、小職が尋ねられる部分としてはウェブ周辺なのでしょうから、NGN, WiMAXを発端にWeb 2.0 を経由して、ARを結論に持ってくる筋書きに自然とそうなりました。

探偵はネットワークなどインフラに関しては門外漢なことは否めないのですが、些少の調査と拙い知識を駆使して文章を紡いでみました*2

今回のインタビューでは、複数の方と同時にこの議題で質問される形式で進められるのだそうですから、話の展開上で上手く喋れなかったり、喋ったことが伝わらなかったり曲解されたりすることもしばしばなので、そのためにも一度文章にして、それをインタビュアさんにお渡しすることによって、探偵の話したい事を伝える意味でも有効だと考えました。

ここにその草稿を掲載させて頂き、皆さんにも御裾分けさせて頂きますので、宜しければでどうぞ。飽く迄、目前の利かない小市民の意見です。不備などあってもご容赦下さいませ。また内容があまりにも楽観的過ぎるなど、ご指摘があれば幸いです。お手柔らかにどうぞ。*3

My Opinion, manuscript

NGNは次世代の通信網としての電話網のIPネットワーク化を意味しており、電話会社からのアプローチです。これは現行からの比較として、質的にも音声通信がさらにクリアに改良され、量的にもデータ通信へのニーズの多大なる増加に伴って、現行電話網インフラストラクチャそのものの改善を余儀なくされているものとも捕らえることが出来るのでしょう。

次世代通信網、そこには、高品質で更なる広帯域を提供出来るブロードバンドや統合されたサービスを提供出来るユニファイド・メッセージングなどの機能が提供が為されると謳われており、またその先にはユビキタスを実現するためのバックボーンとなり得るという期待が持たれるのは自然な展開だと思えます。

しかしこの次世代電話網であるNGN によって既存のインターネット環境にどのような影響を与えて、そして我々を取り巻く状況がどのように変わっていくのか?は、現在ではまだはっきりとは見えているとは言えません。





知り得る概要から鑑みた場合、現状で大きな違いだと言えるのはそのアーキテクチャです。NGNでのウェブ・アクセスはSIPサーバを介してのアクセスになるという事らしいのです。つまりアクセス方法一つとってもかなり違うことになります。ですから、これらを通常のインターネット同様そして相互にシームレスでしかも簡易にアクセス出来るようになることが先決かとも思われます。

現行で既にインターネット・アプリケーションをNGN環境で使うためのフィールド・トライアルを行っている様子ですが些少なりとも問題が露呈していると聞き及んでいます。これらに対しての恒久的な解決が必要とされますが、既存のアプリケーションを作り変えるような事になれば、利用に関して大きな後退を強いられることになるのは必死です。(既に幾つかの解決策が登場している様子ですが、)まずは、NGNでも通常のインターネット・アクセスと何も変わらないのと同等でしかも更に安定した帯域を確保したウェブ・アプリケーション環境となるべく、その土台を構築して頂くのが現行での優先課題なのだと考えられます。

前項と同様にSIP側でのインターオペラビリティ(相互接続性)も確保していく必要があります。そしてサービス提供しているベンダがNGN対応したウェブ・アプリケーションを展開して貰う必要があります。その後に初めて提供されたサービスをNGNの利用者が各々のニーズに応じて使い始めてくれる筈です。





前述の様にNGNアーキテクチャが既存のインターネットと違うことで可也苦労しそうなことがある反面、今までとは違い優位になることも多く出てきそうです。例えば、回線認証によるセキュリティの導入やSIPによる動的帯域確保、位置情報の取得などが挙げられます。認証や位置情報が基本的に利用出来るので、電子商取引などアプリケーション側からのアプローチでそれらNGN固有の情報と連携した新たなサービスが提供出来ることになります。また帯域保障が為されていることは、今までのインターネットとは全く異なる環境であろうことだと断言出来ます。


これらNGNのバックボーンによる広域ネットワーク(もしくは広域イーサネットサービス)が提供されることによって、単一の提供者によるネットワーク運用までのサービスを提供されることがサービスのクオリティという面で多大な有用性を齎すことも考えられます。更にはNGN網同士の接続が行われ提供されるならば、特にワールドワイドに展開している事業者などはNGNを利用することで多大な恩恵を受けることになるでしょう。


その他にも現行でNGNで期待される目玉分野として一般消費者向けには QOS(Quality of Service)を持った VOD(Video On Demand)や IPTV、公共では eGavermentなどが取り挙げられていますが、ビジネス分野では "SaaS over NGN" などで呼称される様に、SaaSなどの活性化が目論まれています。SaaSの利用は予想通りコスト削減の意味からも中小や地方企業を中心に利用が伸びていますし、金融機関での採用も一部始まっています。またGoogleなどをビジネス目的で利用するという意味でのSalesforce経由でのGoogleのサービスが利用出来る環境が整ってきていますし、先行するAmazon EC2/S3などの台頭によってSaaSで更なる利用者の加速に繋がってきています。弊社もそれを見越してビジネス利用の普及に向けてセールスフォースとの協業も既に進行しています。またNTTグループ自体もNGNのキラー・アプリケーションとしてのSaaSを目論んでいる様子です。

ですからセキュリティ面が強化されれたNGNの普及によって、SaaS (Software as a Service) というカテゴリだけでもビジネス目的でインターネット経由サービスの利用が今後躍進されることでしょう。加えて、NGNSaaSに有効に作用すると考えているのは、特に日常的に海外拠点とのデータやりとりがネットワークの遅延(レイテンシ, Latency)が問題になっている点であり、この問題点の解決に繋がることを期待せざる負えません。


移動体通信という側面でもWiMAX、そしてモバイルWiMAXによりデータ通信の高速化が拡大されるものと思われます。これらワイヤレスブロードバンドであるWiMAXが浸透すれば、通常のノートパソコンや最近人気のUMPCは勿論の事、各種ハンドヘルドもWiMAXに対応することによって次々と以前群雄割拠していたPDAなどが復活してくることでしょう。無論、携帯電話或いはスマートフォンとして追従が行われるのかもしれません。つい先日、一部の業者がWiMAXの試用サービスを開始しましたが、まだまだこれから安定した接続エリアを増やして行く必要はあるのでしょう。これらWiMAXなどによってモバイル環境での高速データ通信が可能になり、同時に高機能なモバイル・デバイスの進化と共鳴して、これらモバイル・ブロードバンドで充実した環境が提供されれば、今まで不可能だと思われたことも実現可能になってきます。前段を鑑みれば、モバイルSaaSスマートフォンなどとして急激に加速されるのは明らかなのでしょう。


これらNGN, WiMAXが影響していく将来の段階的な希望的観測としては、これらが提供されていく内にどのような展開を見せるのかは、無論今まではネットワークがボトルネックであった大容量データ通信が容易になることによって、ウェブ2.0 (Web 2.0) の範疇で語られている現在隆盛を見せているリッチ・クライアント RIA (Rich Internet Application) が、さらなる加速を行うのでしょう。その後に注目を集めているAIRSilverlightなどの成長が促進され確実にシームレスにウェブにアクセス出来る環境が整えられ、オンラインでアクセス可能なウェラブル・コンピュータもやっと本格的に普及して行くのかもしれません。

さらには水面下で胎動し理想のウェブとして待望していたセマンティックWeb (Semantic Web) を踏まえた機能が浸透し始め、ウェブ自身が幼年期の終わりを迎えて本当の意味での進化をしていくのであろうとも期待しています。

さらなる未来、ちょっと飛躍した展望ではありますが、それら移動体環境の充実があると仮定すれば、膨大なデータのやり取りが可能になるでしょう。それに伴いイメージ処理の利用が格段に進むでしょう。前述での可搬型機器の復権による機器性能進歩と移動体通信の帯域確保が両立するならば、AR (Augmented Reality) 「拡張現実」もしくは「強化現実」などと呼ばれる究極のリッチ・クライアントに発展していく勢いの強い追い風になるのだろうと想像が為されます。そうすれば、S.F.のストーリー・テラー達が小説や映画などで見せてくれた未来予想図と寸分違わないものが登場してくることも期待出来ます。

そうです、「電脳メガネ」です。「電脳コイル」です。

AR (Augmented Reality), Den-nou Megane (Digital Brain Cyber Glasses)

電脳コイル

(クレイグ・マンディ氏によればマイクロソフトでもARに関する研究に取り組んでいる様子ですし、GE 社では既にプロジェクトを興して成果を発表しています。このような大企業でも真面目に研究開発しているみたいです。)

“Augmented reality (AR) is a field of computer research which deals with the combination of real-world and computer-generated data (virtual reality), where computer graphics objects are blended into real footage in real time.” - from Wikipedia.


現在では携帯電話が手放せないツールになっているように、ちょっと先の未来では電脳メガネを手放せない状態になっているかもしれません。



前段での流れの様な単純に予想される事項だけに留まる可能性も否定はできませんが、つい最近起きた現象であるブロードバンド・インターネットの提供と高性能のパソコンが普及した結果が及ぼした影響は、GoogleYouTubeなどに代表されるようなそれまでの想像を超えて今までに無いほどリッチでお手軽で有用なサービスが台頭して「ウェブ2.0」 "Web 2.0" などと呼称されるようなブームを興したのは記憶に新しいところです。これを鑑みれば、NGNが新しいバズワードであるクラウドの土台を担うのは、間違い無い事だろうと想定されます。
そしてこのNGNWiMAXで提供されるインフラ上でも通常では予測もつかない様な奇抜なアイディアがサービスとして実現可能になり世の中に提供されることも出てくるでしょうし、本当にそれを期待しています。

そしてもっと便利なソフトウェアやスタンダードとなる様なサービスの登場、それを楽しみにしたいと思っています。

そして夢物語だった事柄が、ちょっと眼を凝らして未来を透視してみれば、電子ペーパーや電脳メガネなども普通の生活に浸透している世界が、もうちょっと先に見えるかもしれません。





おしまい。



Related Resources

調査するにあたり参考にさせて頂いた記事の一部を列記しておきます。


*1:-探偵は大きなインフラの事、良く知りません。が、事前に色々調べて勉強してみました。-

*2:-この糸は何度も解いては、編みなおしたり、継ぎ足したりしてあります。-

*3:-ちなみに先日実際にインタビューが無事行われましたが、記事として掲載されるのは一ヶ月後あたりだそうです。そちらはもし無事掲載されるようでしたら後日お知らせするかもしれません。宜しくどうぞ。-